NHKとのコラボで見えてきたこと

メンバーの小貫(東海大学国際学部)と渥美(同 医学部)は、NHKとのコラボで「生理リサーチ」というネット調査(2021-2022)を実施しました。
https://www.nhk.or.jp/citizenlab/seiri/index.html
NHKとのコラボから見えてきたのは、日本中で当たり前のように実施されている「生理の授業」が、必ずしも本来の目的(思春期発来の準備)に適していない現実でした。その背景には、実は構造的な理由があることも垣間見られました。
多くの子どもは、小学校4年生の保健の授業で初めて生理について学びます。しかし、性についてそれまで一度も学んだことのない場合が大半です。そのままでは思春期準備教育の単元に入っていけないために、まずは膣や陰茎、月経や射精などの用語と、生殖の仕組みについて教えるのが、一般的な教科書のアプローチになっているのです。
初めて聞く言葉ばかりで、頭の中が???でいっぱいになっているうちに、「君たちも、これからは子どもが産める体になるってことだよ」と締めくくられて終わってしまった授業…、多くの回答者がそんな違和感や唐突感を感じてきた様が見られました。
そんな授業だけでは、実際に生理を迎えたときの役に立たないだろうと考えて、宿泊型学校行事の直前などに「生理の授業」をする学校が多数です。女子だけを集めて、男子を排除することが多いために、女子にとっては「性は隠しごと」と印象づけられることにつながり、男子は何も学ばないばかりか、好奇心を掻き立てられて悪戯心を生むこともあるようです。
包括的性教育では、このようなことにならないように「スパイラル(らせん階段)アプローチ」が提唱されています。小さいときから、子どもの理解の段階に沿った説明をして、同じテーマに繰り返し立ち戻るアプローチです。
自ずと家庭の役割が大切になってきますが、多くの家庭では性についての対話が不足しています。保護者たちは自分自身が性教育を受けたことがなく、どのように説明したらいいかわからないばかりか、対話の前提となる語彙(例えば女の子の性器を呼ぶ名前)が不在だったりもします。
「性と文化プロジェクト」では、家庭での性教育を応援し、それを前提とした学校性教育へと続く流れを構築しようとしています。